




↓下のほうで紹介しています
全国より こってりした本を 集めました。
地方の風土やあの時代を滲ませる数々の本たち
ときに前衛的で、芳醇な薫りを漂わせるエッセイや小説
マニアックで洒落たビジュアル本や、レアなコミック、
美しいチェコの絵本や懐かしの・・・
さらに野宿好き、プロレス好き必見のレアなミニコミなどなど
当店お薦めの100冊あまり。
本好きはもちろん、そうでないあなたにとって
特別な一冊となれば幸いです。
期間限定の取り扱い。
どれも小部数につき
たくさん揃っている間にご覧ください。
-----「あなたはこの本を知っていますか?」
地方には初めて名前を聞くような出版社が無数に存在し、その中には小規模な出版社も少なくありません。
それらの出版社が刊行する、地方特有の薫りを漂わせた、あるいは小部数ながら作り手の心意気を感じるような魅力的な本たち。その中から当店が選ってきました100点あまりです。
どうかこの機会に、その独特なエッセンスをお楽しみ下さい。



■たとえばこんな一冊 そのよん ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ★

「想い出のカフェ 」 ドゥマゴからの贈り物
井上俊子/編 Bunkamura
本書は、東京渋谷の東急文化村にあるカフェ「ドゥマゴ」が毎月発行している「ドゥマゴ通信」に掲載されていた”カフェをめぐるエッセイ”を一冊にまとめたものです。
50名にものぼる執筆陣は、須賀敦子、蓮實重彦、中沢新一、吉本隆明、赤瀬川原平、柴田元幸、久世光彦・・・、挙げ連ねるとキリがありませんが、
作家だけではなく彫刻家、映画監督、演出家、音楽研究者、画家、写真家と、各分野から魅力的な文化人がそれぞれのカフェへ想いをめぐらせ言葉を編んでいます。
本書は、まずそのいでたちがすばらしい。
挿画は山本容子、装丁は菊池信義によるもので、世界のカフェをめぐる本書にとっておきの異国の香りを纏わせています。
そして手にした時の何ともいえない手触り、大きさ、本を開く前からとても素敵な予感がします。
表紙を開くと巻頭には目次はなく、そこはもう”誰かの思い出のカフェ”です。
本書の魅力は、見開き4ページ(しかもゆとりのある分量、余白)に1つのエッセイがあり、それが最後までそれぞれの前後も凹凸もなく、同時に存在しているところにあります。
それは順に読むという流れを感じさせないあり方。
不意に開いたところがもうどこかのカフェなのです。
世界をめぐった著者らによる物語は
それぞれ簡単に読めてしまう分量ながら、語り口の、その味わいはえも言えないほど芳醇で、濃密、爽やかに、薫りたかく。あっという間に、胸の中を満たしてしまいます。
そこはパリであり、メキシコであり、アフリカの草原。
いつでも世界の津々浦々にあるカフェを訪れる、どきどきする、なんて贅沢な一冊なんでしょう。
わたしの大好きな一冊です。
ーー本文より
アフリカの大サバンナでキャンプをする。空と地面を夜の暗闇が塗りつぶした後、突如として起こる野獣の悲鳴を全身に浴びながらコーヒーを飲む。どこかで生命がひとつ消えたにちがいない。その生命を、一気に飲み干す。・・・・(知られざるフランスでのコーヒー)抜粋箇所が少しとんでいますが、もっとモダンな内容です・・・。
うっとりと優雅に、時にはユーモラスに、コーヒーと想い出の香りを楽しんで下さい。
■たとえばこんな一冊 そのさん ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ★

「本づくりのかたち」
芳賀八恵/編・著
本書は、個人出版社8plusを主宰ながら、自らが絵本作家、デザイナーである著者(芳賀八恵(はが・やえ))が、
独自の出版活動を展開する”ものつくる人々”を訪ね、さまざまな「本づくりのかたちを」探る一冊。
登場する本づくりの活動は、だいたいがほぼ個人によるもので、
独自性、独創性に富んだそれらの活動が、大量生産大量消費のシステムの上では浮いた存在であることはすぐにわかるだろう。しかしこの本の中では、どうやって利益を出すのかという観点で語られることはない。
本書の魅力は
同じく本をつくる立場にある著者の眼差しの向こうに
どうして本をつくるのかという
ものをつくってゆく動機や、
背景にある想い、それぞれの過程を
インタビューを通じて垣間見ることができるところにある。
共感と刺激、そして本にたいする、ものづくりにたいするこだわりや
愛情が詰まった数々のエピソードを読めば、
あなたの手元にある本の手触りも幾分かわるのではないだろうか。
本とものづくりを愛するすべての人におすすめしたい。
■たとえばこんな一冊 そのに ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ★

「屋上喫茶階」
川口葉子/著
人間にはときどき、見晴らしよい場所が必要なのです。
著者は、喫茶と屋上をこよなく愛する文筆家、喫茶写真家の川口葉子さん。
水彩画のような、淡くふわりとした写真と、屋上に立ち、眺める世界から読者を解きはなつ著者のことばの、やわらかなキラメキが、このソライロの一冊に。
本書は、屋上喫茶ガイド本でありながら、屋上空間そのものへのガイドでもあり、そして読者を世界から切り離す装置でもあります。
日常におつかれなあなたも、
部屋の中に閉じこもっているあなたも
下を向いて歩いているあなたも
本書を開けば、きっとあたらしい眺めに出会えます。
屋上者(オクジョウモノ)万歳!
■たとえばこんな一冊 そのいち ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ★

「Dearキクチさん、 ブルーテント村とチョコレート」
いちむらみさこ/文・絵 キョートット出版
(★この9月、キョートット出版主宰、小川恭平さんのトークが河原町・五条で!→ リンク)
出版社紹介文より
いちむらみさこが公園の森の中のブルーテント村に住んだ!
大都会のブルーテント村、ホームレス、それは暗くイメージされるが、人々の織りなす暮らしには美しさ、豊かさがあった。「女性のためのティーパーティー」を始める、「瞬間の心に応じて太陽が動いているような」公園の素敵な女性たち。そしてPOPでPUNKでFUNKYな女性、キクチさんに出会う。キクチさんの自由な暮らしぶり、彼女の苦しみへの共感。キクチ&みさこ2人に友情が生まれる。
今は公園にいないキクチさんへの書簡集の形で、キクチさんのこと、公園の生活の日々、女性たちのことを、文と絵で生き生きと描いていく。
いちむらみさこさんの目をとおして見るホームレスという社会での暮らしと人々。
そこではシステマティックな社会から欠落してしまった感覚以上に、逆にわたしたちが失っているものを見た気がする。
表面的ではない、いわば剥きだしの人間模様ゆえのなまの美しさに、心打たれる。
なによりも、いちむらみさこさんの、心の動き、それをつづる言葉や絵がとてもよい。
憧れのキクチさんへの想いはもちろん、様々な問題を孕んだエピソードもやさしい愛で包む。
LOVEだ。